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「TOEIC試験は誰のための試験?」TOEIC試験の世界における位置づけ

「TOEIC試験は誰のための試験?」TOEIC試験の世界における位置づけ

この一年間に私がTOEIC試験について感じた「違和感」を挙げます。

  • ①  英文履歴書にTOEICの点数を書いても理解されない
  • ②  米国人はTOEIC試験についてまったく知らない
  • ③  New YorkでTOEIC試験を受験しに行ったら日本人と韓国人ばかりだった

①「英文履歴書にTOEICの点数を書いても理解されない」は、日本国内で留学準備をしている際に、Intern先に提出する英文履歴書Resumeを書いているときに気づきました。書いたResumeを米国人の教師に確認してもらった際に、TOEICの点数だけ書いても米国人は分からない、だから具体的に自分の英語力を補足したほうがよいと言われました。

私はそれまで「TOEIC試験は日本における日本語能力試験のように英語圏でも認知されている」と思っていました。しかし、まったくそういうことはありませんでした。考えてみればすぐ分かると思いますが、TOEIC試験は「話す」「書く」の要素が含まれていないため、英語圏で働くためにはTOEIC試験では程度が低すぎて話にならないのです。だからなかなか現地では認知されないのでしょう。TOEIC860点以上の人でも満足に話せない人はけっこういるのではないでしょうか。

②「米国人はTOEIC試験についてまったく知らない」について述べると、New Yorkで出会った米国人はTOEICについて本当に誰も知りませんでした。日本の英語教育について知っているごく限られた人だけがTOEICについて知っていました。ときどき知っていると言う人に出会いましたが「あれだろ“TOEFL”!」というような回答をもらいました。私も一から説明するのがだんだん面倒になってきたので「そうだよTOEFLの勉強をしているんだよ!」と言うようになりました。

そして一番強烈な体験だったのが③「New YorkでTOEIC試験を受験しに行ったら日本人と韓国人ばかりだった」の経験です。New YorkのManhattan試験会場を訪れたら日本人と韓国人ばかりでした。補足すると、中国や台湾といったAsia系も他に少しいて、1〜2人くらいの白人もいました。でも大多数は日本人と韓国人でした。そこでは私がNew Yorkでふだんまったく交流のなかった日本人たちをたくさん見かけることができました。

ここで2005年のTOEIC試験についての公式資料を紹介します。

公式資料によると、2005年のTOEICの受験者割合は「日本人 65%、韓国人 12%」です。77%の受験者が日韓で占められているということが分かります。要はTOEIC試験というのはこの2ヶ国のための試験であると言ってよいと思います。そして私は自分の体験と公式資料から、「TOEIC試験は誰のための試験なのだろうか」と考えるようになりました。

さてここからはTOEIC試験のために勉強している人への私からの提言です。TOEIC試験は初心者から上級者までの英語力を測る物差として有効な試験だと思います。一方で、日本と韓国以外の国ではTOEIC試験はほとんどまったく知られていません。またすでに言及しましたが、「話す」「書く」、そして「英語圏の知識」については学ぶことができないという欠点があります。

こういった特徴のあるTOEIC試験なので、「TOEIC試験で860点を超えた人はそこでTOEIC試験のための勉強をやめたほうがよい」「TOEIC試験の勉強の代わりにもっと実用的な英語学習をしたほうがよい」と私は考えています。

私はあと2〜3ヶ月TOEIC試験の勉強を真剣にすれば、おそらく990点満点を取得できると思います。でも私はTOEIC試験で満点を取ることについてまったく魅力を感じていませんので、これ以上勉強する気はありません。

ここで米国での事情を説明すると、米国で他国の学生たちが熱心に勉強していたのはTOEFL試験です。欧州の学生たちや日韓以外のAsiaの学生たちはTOEFL試験を熱心に学んでいました。NYCのManhattanにある米国の大型書店、Boardersで確認したところ、TOEFL試験に関する参考書は学生たちの熱意に比例してたくさんありました。一方、TOEICの参考書は2冊しかありませんでした。

こういう状況を知ってしまうと、日本人はいったいどこに向かっているのだろうかとTOEIC試験の盛況ぶりを見て複雑な気持ちになります。TOEIC試験なんて日本と韓国でしか評価されない、だからTOEIC試験だけがんばり続ける日本人はがんばる方向を間違っているのではないかと今は思います。一方、New Yorkにいた他国の学生たちはTOEFL試験に向けて頑張っていました。そしてTOEFLの場合はTOEICと違って英文履歴書Resumeに書いてもちゃんと評価されます。

あなたは何のためにTOEIC試験勉強をしているのでしょうか。試験でよい成績を取りたいというだけならやめたほうがよいと思います。TOEICで高得点、900点、950点、990点を取っても、日本人と韓国人しか褒めてくれません。英語の先生で「990点取得」と自分を宣伝する箔をつけるためというのなら理解できますが、英語の先生でもない一般の人が満点なんて取っても仕方がないと思います。

「TOEIC試験でA levelに到達、860点を超えた人はもうTOEIC試験のための勉強をやめて、もっと実用的な英語学習をする。そして英語を道具として使って行動を起こしたほうがよい」というのが私の提言です。

関連記事

この記事の関連記事として、元国連職員の@May_Romaさんも同じ主旨の記事を書かれていたのでここで紹介します。

ワタクシの結論は

「TOEICは役に立たない&お勉強は人生の無駄」

です。

 

理由は以下3点です

1.TOEICの「お勉強」をしても実務で通用する英語力が身につかない

2.TOEICは外国で全然知られていないので、海外出たときに英語力の証明にならない

3.国内外資に就職するにしても採用担当権のある方はTOEICスコアを参考にしない

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