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発音が完璧でないにもかかわらず尊敬される英語

発音が完璧でないにもかかわらず尊敬される英語

日本人が英語を学習する際に「発音」は悩ましい問題です。そんな私たちにとって福音となる実例、「発音が完璧でなくても尊敬される英語」があるということをお伝えします。

私がNew YorkでのInternshipの間に出会った2人の移民が良い例です。最初に紹介するのはアラブArab系移民、Hakim。もう1人はAfricaのセネガルSenegalからの移民、Diop。両者ともに英語は母語ではありません。そしてまた彼らはそれぞれ英語を20歳を越えてから本格的に学習したため、彼らが話す英語には独特の訛りがあります。

Arab系のHakimは20代後半以降に米国に移住してきたため、強いアラビア語Arabicの訛りがあります。元はComputer関係の技術者であり、Arabicと英語以外の言語をいくつか話すことができ、合計で5ヶ国語を話すことができるそうです。

Hakimと初めて会った際に最も驚いたのは、彼が非常に教養ある語彙を使った英語を話すということです。Hakimは日常生活ではあまり使わない政治、法律に関わる用語をたくみに使いこなしていました。当然それらの英語はArab訛りなのですが、圧倒的な語彙に事務所にいた人々はみな驚いていました。私は自分よりもはるかに豊かな語彙を持つHakimに圧倒されました。

そんなHakimは本業においても成功しており、Arab系移民の指導者的立場にありました。また、元が技術者であったため情報技術にも精通していました。彼は行動力もあり、話がとても面白く、人柄が良かったのです。私は最初自分のMiddle Nameを探している際に彼の名前をもらおうかと思うくらいに感銘を受けました。彼は英語の発音の悪さなど圧倒するくらいの優れた教養と実績、素晴らしい人柄であったためとても尊敬されていました。

もう1人はSenegalからの移民、Diop。彼もまたSenegal系移民の指導者的立場にありました。すでに米国に20年近く滞在しているため、米国人同様の英語力を持っていました。Diopも20歳を過ぎてから米国に来たため、彼の英語はSenegalの公用語であるFrenchと現地語のWolof訛りを持っていました。また、彼も合計5ヶ国語を話せる多言語話者でした。

Diopは事務所でボランティアVolunteerで法律関係の業務を補佐していたため、裁判所で判事とやりとりをするのにも何の問題もなく対応できるくらいの英語力を持っていました。ここで補足説明をしますが、法律関係の英語は日常生活の英語よりもはるかに難しいのです。TOEICで900点以上というような甘っちょろい英語力では鎧袖一触です。また法律関係以外にも自分で商売の販路拡大に乗り出していて、Senegal系移民の指導者として非常に尊敬されていました。

さて本題に戻りますと、結局は「英語」は「意思疎通の道具」でしかないということです。あなた自身がその道具を利用して何ができるのかが大切だということです。あなたが語るべき内容を持っている、そして英語の発音が最低限理解可能な水準であれば人々はあなたの英語に耳を傾けます。

そしてまた、あなた自身が尊敬される人であれば「発音が悪い」ことが一層尊敬を高めることに役立ちます。すなわち、「発音が悪い」ということは「成人してから努力して英語を学習した証である」ということだからです。

逆に「発音は完璧だけれど、語彙が少ない人や語るべき内容がない人」はまったく尊敬されません。完璧な英語を話すだけの人なんて英語圏ではそこら中にいるから、ありがたみがまったくないのです。

英語を学習する人に最も伝えたいことは「あなたは英語を使って何をしたいのですか?何ができるのですか?」という問いに明確に答える準備をしてほしいということです。「英語をペラペラに話したい」ということをよく日本では聞きました。しかし、これは手段と目的を取り違えていると言わざるを得ません。

成人してから英語を学習する人は発音は理解可能な水準まで高めるだけで十分だと思います。完璧な発音を目指す必要はまったくありません。発音を改善する代わりに自分自身の価値を高めて英語で語るべき内容を持ってください。

繰り返しますが、語るべき内容があれば、また聞き手にとってその話が有益なことであれば、あなたの英語の発音がひどくても人々はあなたの英語に耳を傾けます。そしてまた完璧でない英語も「努力の証」として尊敬されるものとなります。このことはしっかりと心に留めておいてください。

それでも完璧な英語の発音を身につけたいという人も中にはいるでしょう。そういう人には最も簡単に完璧な英語の発音を身につけることができる方法をお伝えします。その方法とは「自分の子どもに英語で教育を受けさせる」という方法です。これが最も簡単な方法です。

「え、本当に?」と日本人の感覚だとそう思うかもしれません。でもNew York Cityではこれが当たり前の光景でした。親世代が移民として米国に移り、そこで苦労して働いて教育資金を稼ぐ。そしてそのお金で子どもたちが米国で十分な教育を受ける。世代を超えた英語学習がそこにはありました。

移民たちは豊かになるために自分たちの世代だけが頑張るのではなく、子どもたちの世代をも巻き込んで闘います。日本人からしたら賛否両論あると思いますが、彼らの豊かになりたいという強烈な生きざまには私は圧倒されました。

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